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予防接種の進め方(1)

5種混合ワクチン(DPTIPVHib

ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)、ポリオ(P)、ヒブ(インフルエンザ菌b型:Hib)を予防するワクチンで、生後2か月になったら早めに接種する必要があります。特に乳児期の百日咳は脳症を合併し、ヒブは怖い髄膜炎の原因になることから生後6か月頃までに十分免疫をつける必要があります。約4週間の間隔で3回接種し、1年後に1回追加します。副反応としては、接種部位の発赤腫脹、硬結、2日以内に発熱することがあります。小学校高学年になったらジフテリア(D)と破傷風(T)を混在した二種混合ワクチン(DT)で追加免疫を行います。

 肺炎球菌ワクチン(20価)

5種混合ワクチン同様、生後2か月から接種することが重要で、肺炎球菌による予後の悪い髄膜炎や、肺炎、中耳炎などを予防するワクチンです。約4週間の間隔で3回接種し、1歳以降(3回接種後60日以降)に4回目を追加します。主な副反応としては、接種部位の発赤腫脹、硬結、発熱などをよく見かけます。

 ロタウイルスワクチン

ロタウイルスは乳幼児期の急性胃腸炎の主な原因で、毎年冬から春にかけて流行し、脱水症のほか、反復するけいれんや脳症を起こすこともあります。初回接種は生後6週以上の乳児で、4週間以上の間隔をあけて2回(ロタリックス)もしくは3回(ロタテック)内服します。前者は遅くとも生後24週まで、後者は32週までに接種を完了する必要があります。非常に飲みやすいシロップ状ですが、約10日間、経口生ワクチンのため便中にワクチンウイルス株が排泄されます。一般に副反応は稀ですが、初回内服1か月間は反復性の嘔吐や血便などの腸重積症状に注意します。

B型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスが乳幼児に感染した場合、体の中に住みつき、血液だけでなく、唾液、涙、汗、尿などの体液からも排泄されます。このため、感染経路は、主に出産時におけるウイルスを持ったお母さんから新生児への母子垂直感染ですが、最近では知らず知らずに感染したお父さんや兄弟からの家族内感染や、集団生活における友達からの水平感染が注目されています。一般に生後2か月からワクチンを1回接種し、その約1か月後、約6か月後に追加を行います。副反応は稀で、3回接種後の免疫効果は約20年以上持続すると考えられています。2016年10月から1歳未満の乳児のみ定期接種化されましたが、慢性肝炎、肝硬変、肝癌の原因となることから全ての子ども達に接種したいワクチンです。

BCG

生後3か月から1歳までに接種する結核を予防する生ワクチンです。通常の注射器でなく、巨大な印鑑のようなもので接種します。正常の場合、10日以降、接種部位は赤く膨らみ、1か月頃に最強となります。ブツブツが18個あれば完璧です。7-10日以内の早期に赤く腫れ、針跡が化膿している場合は、コッホ現象と呼ばれ、既に結核菌に感染している可能性があるためご相談ください。

インフルエンザワクチン

インフルエンザはウイルスの顔貌が少しずつ変わるため毎年ワクチンを接種します。特に日本の子ども達はインフルエンザ脳症の合併頻度が高いことから予防が重要となります。接種時期は毎年10-12月頃で、生後6か月から13歳未満は2-4週間隔で2回、13歳以上は1回注射します。鶏卵でワクチンを作るため強い卵アレルギーがある場合、注意が必要ですが、日本で生産されたワクチンは混在する卵白量が微量のため問題になることは稀です。なお、2024年秋から2歳以上~19歳未満に対して、経鼻型の生ワクチンも使用されるようになりました。

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